ストレートネック(スマホ首)とは
通常、人間の頸部は頭部を支持しバランスを保つために、独特のカーブを形成しています。頭部は約5kgという重さがあり、これをバランス良く支持するための工夫とも言えるのが、頸椎のカーブなのです。
このカーブにより、頭部の重さは適切に分散され、首や肩に無理な負担をかけることなく、効率良く支えられるようになっています。
しかし、「ストレートネック」では、このカーブがなくなり、頸椎が直線状になってしまっています。その結果、首や肩の筋肉に過度なストレスがかかり、様々な症状の原因となります。
痛みのほか、頸椎のヘルニアなど、他の健康上の問題を引き起こす恐れもあり、十分な注意と適切なケアが必要です。
大阪府守口市の森整形外科リハビリクリニックでは、ストレートネックの診断と治療を行っております。不調を感じた際は、どうぞお気軽にご相談ください。
ストレートネックの見分け方
ストレートネックは、多くのケースで、過度なスマートフォンの使用(これが『スマホ首』」とも呼ばれる所以です)や長時間にわたるデスクワークなど、頭部と首に持続的な前傾ストレスをもたらす行動に起因して起こります。この状態が長く続くと、頸椎の自然なカーブが失われ、次第にそれがストレートなラインを形成していきます。
では、ご自身がストレートネックかどうかを確認する方法はあるのでしょうか?
簡単なチェック方法をご紹介します。
ストレートネックのセルフチェック方法
- 真っ直ぐな壁に背を向けて立ち、かかとから頭の後ろまで壁に対して平行になるよう調整します
- それぞれ「かかと」→「おしり」→「肩甲骨」→「後頭部」が壁に接触しているか確認します
- 特に後頭部が壁に自然に触れるかをチェックします
もし後頭部が壁に自然と触れない場合、あるいは触れるのに無理がある場合、ストレートネックの可能性があります。その際は、専門の整形外科で詳しい診断を受けることをおすすめします。
ストレートネックの原因は?
ストレートネックは日常的な生活習慣や姿勢と密接な関わりがあり、特に以下の点が影響していると考えられています。
継続的なスマートフォンの使用
猫背の姿勢
長時間のデスクワーク
ストレートネックの症状
- 肩、首、肩甲骨のこりや痛み
- 頭痛やめまい、耳鳴り
- 吐き気
- 手足の冷え
- 頸椎の関節圧迫による神経の障害
- 目の疲れや集中力の低下
- 背中が丸くなりやすい、猫背になりやすい
- 体の重だるさ
- 腕や手のしびれ
- 壁に後頭部がつかない
など
軽度では「肩こり・首こり」や「背中・腰のこり」が、中等度では「頭痛」や「吐き気・めまい」、「手足の冷え」などが、重症では「腕や手のしびれ」や「壁に後頭部がつかない」などが主な症状として挙げられます。
症状が重症化すると…
初期の軽いこりや痛みが次第に強くなり、しびれやヘルニアの発生、耳鳴りのほか、視力の低下、自律神経の不調やうつ病を引き起こすケースもあります。
特に視神経への影響は、慢性的な眼精疲労や視力低下となり、日常生活においても見えにくさや目の痛みといった問題を引き起こします。
ストレートネックの検査
この画像診断は、頸椎ヘルニアや他の可能性をも考慮して行われ、必要に応じてMRIも実施され、詳細な検査を経て正確な診断が下されます。
MRIが必要な場合、連携する専門機関をご紹介いたします。
ストレートネックの治し方
ストレートネックに対する主な治療方法は以下の通りです。
運動療法
これには日々の動作の改善や、首のカーブを保持するための筋肉を強化するエクササイズ、そして筋肉や関節のストレッチが含まれます。ご自宅でのセルフケアやエクササイズも指導します。
物理療法
超音波治療器などの物理療法機器を取り揃えています。軽症、重症の方にも物理療法は有効です。
また、徒手療法と併用することでさらに治療効果を期待できます。
注射療法
筋肉の膜や神経の癒着が、痛みの原因となることがあります。
ハイドロリリースは、生理食塩水と麻酔薬を混ぜ合わせた液体を使用して、これらの癒着を和らげる方法です。
筋膜や神経の可動性を高めることで、痛みやしびれを軽減します。