肩や肘、腰の痛みがあるのは、がんの始まり?
がんになった人が直面する「痛み」には、がんそのものが直接影響して発生する痛みと、手術・薬物療法・放射線治療に伴って二次的に発生する痛みがあります。
いずれにせよ痛みは、患者さんに苦痛を与え、不安やイライラを招き、仕事や趣味を含めた日常生活・人間関係にも悪影響を及ぼします。さらには、治療に対する希望をしぼませてしまう・失わせてしまうケースもあります。
もちろん、肩こりがあるからがんだというわけではありません。肩こりのほとんどは、不良姿勢や長時間のデスクワーク、運動不足、ストレス、冷えなどを原因として起こるものです。ただ一方で、がんの可能性を頭の片隅に入れて診断をしなければならないということもまた事実です。
治らない慢性の肩や肘、腰の痛みがある場合には、お早めに当院にご相談ください。
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がんそのものによる直接的な痛みの分類
がんそのものによる直接的な痛みは、それぞれ以下のように分類され、痛みの現れ方も異なります。
体性痛
皮膚・骨・筋肉・関節といった構造部へのがんによる刺激を原因として生じる痛みです。
特徴としては、以下のような点が挙げられます。
- 「ここが痛い」と指し示せるくらいに、痛みが出る範囲が明確
- ヒリヒリ、ズキズキ、チクチクといった持続性のある痛みである
- 拍動に伴って痛む、うずくように痛むということが多い
- 身体を動かすことで痛みが強くなることが多い
内臓痛
食道、胃、大腸、肝臓などの内臓に発生したがんの浸潤や圧迫によって起こる痛みです。
特徴としては、以下のような点が挙げられます。
- 「このあたりが痛い」という程度に、痛みの範囲がやや不明確
- 圧迫されるように痛む、絞られるように痛む、鈍く痛むということが多い
- 吐き気、むかつき、発汗などの症状を伴うことがある
神経障害性疼痛
がんによって神経の経路が障害される・圧迫されることで起こる痛みです。
特徴としては、以下のような点が挙げられます。
- 以前であれば気に留めないような軽い刺激で痛みが出る
- 痛みが持続することで、痛みが強くなっているように感じる
- 痛みが持続的なこともあれば、瞬間的なこともある
- 焼けるように痛む、うずくように痛む、電気が走ったように痛むといったことがある
- 痛みが出た部位に力が入らない・動かしづらいことがある
- しびれを伴い、持っていたものを無意識に落としてしまう、字をうまく書けない、箸を正しく使えないといったことがある
がんの痛みのパターンごとの分類と特徴
がんの痛みは、持続する痛みと、突発的な痛みに分けられ、それぞれ特徴が異なります。
継続する一定の強さの痛み(持続痛)
- 1日のうち、12時間以上、ほぼ一定の強さで痛みが続く
- 病状、治療の状況の変化によっては、痛みの強さが変化することもある
突然、一過性の痛み(突出痛)
- 突然現れ、その後短時間(30~60分)でピークを迎え、消失する痛み
- 鎮痛剤を使用していても起こり得る
- 80%が、持続性のある痛みと同じ場所に発生する
痛みの感じ方
- 痛みが1日中続く…持続痛
- 普段はほとんど痛まないが、1日に何度か急激な痛みが出る…突出痛
- 普段から痛みがあり、1日の中で良くなったり悪くなったりを繰り返す…持続痛+突出痛
なお突出痛は、身体を動かしたり特定の姿勢をした時に現れるタイプと、身体の動きや姿勢に関係なく不意に現れるタイプがあります。このタイプによって対応や治療法も異なりますので、分かる範囲で、できるだけ詳しくお伝えください。
肩・肘・腰の痛みが続く方は当院へご相談を
ここまでにご説明した通り、がんによって肩や肘、腰などに痛みが出るケースが、少なからず存在します。
「痛い=がん」だと過度に心配する必要はありません。しかし、そういった可能性を考えて受診すること、そして私たち医療従事者が検査・診断にあたることが大切になります。
痛みは、身体が異常を知らせるためのサインです。整形外科疾患であろうと、がんであろうと、なんらかの対応と治療が必要である状況には変わりありません。
当院では近隣の内科医院、基幹病院と丁寧な連携をとり、あなたの安心をお約束します。なかなか治らない肩・肘・腰の痛みがある方は、お早めに当院にご相談ください。